従業員の勤怠状況や労働時間を効率的に管理できる勤怠管理システム。働き方改革によって労務管理の重要性が高まるなか、勤怠管理システムを導入する企業が増えています。記事では、勤怠管理システムで実現できることや機能一覧、期待できるビジネス上の効果を紹介します。

勤怠管理システムの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。

勤怠管理システム 31選|比較・選定ポイントとおすすめ「勤怠管理アプリ・クラウド」の特徴や活用事例

勤怠管理システムとは

勤怠管理システムとは


勤怠管理システムとは、出勤・退勤時間の記録や休暇申請、シフト管理、データ集計などを一元管理できるシステムです。従業員・管理者の双方に便利なさまざまな機能が搭載されているため、勤怠管理にまつわる業務全般を効率化できます。

 

近年は、働き方改革の一環でフレックスタイムや時差出勤、テレワークなど多様なワークスタイルが増えており、勤怠管理業務は複雑になりがちです。勤怠管理システムを用いれば、勤務形態に合わせて適切に勤怠状況を把握できるようになります。

 

法令遵守の観点でも有用性が高いので、勤怠管理システムは今や欠かせない業務改善ツールといえます。

勤怠管理システムで実現できること

勤怠管理システムで実現できること

 

多くの勤怠管理システムに共通して実現できることは、以下の3つです。ただし、搭載されている機能はツールによって異なるため注意してください。

勤務形態に合った打刻方法が選べる

勤怠管理の基本は、毎日の出勤・退勤時間の記録です。従来、出退勤時間の記録はタイムカードや専用用紙への記入などが一般的で、出張や外回りが多い人には対応しづらいものでした。勤怠管理システムを導入すれば、以下のような多彩な打刻方法が選べるようになります。

 

  • ICカード打刻
  • パソコン・スマホによるWeb打刻
  • GPS打刻
  • SNS認証(LINE、ビジネスチャットツールなど)
  • 生体認証(顔認証や指紋認証など)

 

これにより、外勤やテレワークなどオフィスに出社しない人でも適切に出退勤時間を記録できます。 

勤務状況をリアルタイムに把握できる

タイムカードや紙による勤怠管理では、締日後の集計が完了しないと勤務状況を把握できませんでした。勤怠管理システムでは、従業員が打刻した出勤・退勤時間などのデータはシステムに即時反映されます。

勤怠状況や残業時間をリアルタイムにチェックすることで、スムーズな労務管理に役立てることができます。管理面で便利な機能には、以下のものがあります。

 

  • リアルタイムで勤怠時間を自動集計(総労働時間・深夜労働時間・休日労働時間など)
  • 帳票出力
  • 残業時間が規定を超えた場合のアラート・通知
  • 有給休暇が未消化の場合のアラート・通知

各種申請・承認ができる

休日出勤や休暇取得、打刻内容の修正といった各種申請・承認作業も、勤怠管理システムで完結できます。申請者ごとに承認フローを設定することで、適切なワークフローによる申請・承認作業が進められます。申請すると承認者にメールで通知され、承認者は承認・棄却を選択。必要に応じてコメントを残すことも可能です。 

勤怠管理システムの導入で得られる効果

勤怠管理システムの導入で得られる効果

勤怠管理業務の負担軽減/コスト削減

タイムカードや紙、Excelを用いたアナログな勤怠管理方法は、出退勤データや残業時間の集計、休暇取得状況の管理などに多くの時間・マンパワーを要します。また、各種申請・承認作業を紙ベースで行っている場合、承認サインをもらうために上司が帰社するまで待つといった無駄なタイムロスも発生しがちです。

 

勤怠管理システムを用いれば、日々の勤怠管理や申請・承認作業、集計・分析などの一連の工程を一括管理できるため、従業員や管理者の業務負担を軽減できます。システム化によって煩雑な勤怠管理を効率化することで、事務コストの削減にもつながります。

不正打刻・打刻漏れの防止

タイムカードや紙による出退勤時間の打刻では、虚偽申告やなりすましによる不正打刻が可能でした。しかし、勤怠管理システムには顔や指紋で本人確認をする生体認証や、位置情報と連動したGPS打刻などがあるため、不正打刻を防ぐことができます。また、アラート機能やエラー表示機能によって、打刻漏れなどのミスも防止可能です。

法改正にスムーズに対応できる

従来のアナログ的な勤怠管理方法では、労務管理にまつわる法改正が行われるたびに管理フォーマットや勤怠ルールを見直す必要がありました。勤怠管理システムを導入すれば、法改正に合わせて所定労働時間や残量時間の上限、有休の取得義務日数などを画面上で簡単に設定できます。とくにクラウド型のシステムは法改正に合わせて自動的にアップデートされるため、法令遵守という観点でも効果的です。

勤怠管理システムの機能一覧

勤怠管理システムの機能一覧

 

勤怠管理システムの主な機能を、従業員用・管理者用に分けて以下にまとめました。

 

従業員用の機能

内容

打刻機能

出勤・退勤時間を記録する。ICカード、パソコン、スマホ、生体認証、GPS、SNSなどさまざまな打刻方法がある

申請機能

残業・休日出勤・休暇・シフト・修正入力などの申請

アラート機能

設定した残業時間や遅刻回数を超過したときや、打刻忘れなどのミスある場合にアラート・エラー表示が出る

勤怠状況・残業時間の確認

勤怠状況や残業時間、休暇取得状況などのデータを確認

モバイル対応

スマホやタブレットによる申請やデータ確認が可能

 

 

管理者用の機能

内容

勤怠状況・労働時間管理

・従業員の勤務状況をリアルタイムで確認

・従業員の出勤簿を一覧表示

・残業時間の基準値設定・実績確認

・ 有休・代休・夏季休暇などの休暇の取得状況を管理

アクセス権限・ワークフローの管理

・機能ごとの使用権限を設定

・申請・承認ワークフローを設定

シフト管理

従業員のシフト申請をもとにシフト表を作成・共有

スケジュール管理

フレックス・固定勤務などの勤務形態に応じてスケジュールパターンを作成・管理

集計・分析

・従業員の出退勤時間や出勤場所を日次・週次・月次で集計

・従業員の残業時間を集計・部署別や期間別などでグラフ化

帳票出力

勤怠データをExcelやCSV、PDFにエクスポート

人件費の予実管理

労働人数や労働時間、人件費などの予定・実績を表示

他システムとの連携

給与ソフトや人事管理システムなど他のシステムとデータ連携ができる

 

どの機能が搭載されているかはシステムによって異なります。選択の際は注意しましょう。 

煩雑な勤怠管理をシステム化しよう

勤怠管理システムを導入すれば、従業員の出退勤時間や残業時間、休暇取得状況などの管理をシステム上で完結できるようになります。勤怠管理業務を省力化できるほか、不正打刻の防止や法改正へのスムーズな対応も可能になります。煩雑な勤怠管理を効率化したい場合は、自社の労務管理方法に合った勤怠管理システムを導入してみてはいかがでしょうか。

 

勤怠管理システムの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。

勤怠管理システム 31選|比較・選定ポイントとおすすめ「勤怠管理アプリ・クラウド」の特徴や活用事例