複数法人による事業創出に役立つオープンイノベーションプラットフォーム(オープンイノベーションサービス)。大手企業やスタートアップ企業を中心に、利用が広まりつつあるサービスです。自社単独での事業創出に困難を感じているなら、同サービスの利用を検討する価値は大。ここでは、オープンイノベーションプラットフォームのサービス内容や活用メリットを解説します。

オープンイノベーションプラットフォームの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。

オープンイノベーションプラットフォーム 1選|比較・選定ポイントとおすすめ「オープンイノベーションサービス」の特徴や活用事例

オープンイノベーションプラットフォームとは

オープンイノベーションプラットフォームとは

 

複数の法人が連携して新しい価値を創造する、オープンイノベーション。2003年にアメリカで提唱され、日本においても注目が高まっているイノベーション概念です。

 

オープンイノベーションを実現するには、まず企業同士が協力関係を結ばなければなりません。とはいうものの、世界に無数に存在する法人(企業・大学・自治体など)から、自社との協業に相応しいパートナーを見つけることは簡単ではありません。そこで役立つのが、オープンイノベーションプラットフォームです。

 

オープンイノベーションプラットフォームとは、オープンイノベーションのスタートアップを支援するサービスのこと。より具体的には、共創のためのパートナー探しをサポートするサービスです。オープンイノベーションプラットフォームを利用すれば、多種多様な法人との共創・協業のマッチングを図りやすくなります。

オープンイノベーションプラットフォームのサービス内容

オープンイノベーションプラットフォームのサービス内容

 

オープンイノベーションプラットフォームのサービス内容は提供元によりさまざまです。代表的なサービスを見ていきましょう。

コンセプト設計をサポート

オープンイノベーションプラットフォームには、共創プログラム(オープンイノベーションのプログラム)の作成をサポートするサービスが用意されています。他法人との共創に初めて挑戦する企業であっても、適切なプログラムを設計できるようにサポートしてくれます。

 

  • コンサルタントによるコンセプトメイク支援
  • アイデア創出・要件定義・解放するリソースの選定などをサポート
  • 共創プログラム作成用コンテンツを提供(一部サービスの機能)

法人同士のマッチングをサポート

オープンイノベーションプラットフォームは法人同士のマッチングをサポートします。共創プログラムを開催する企業と、プログラム参加を希望する企業の出会いの場となるように、多数の機能が用意されています。

 

  • 共創プログラムをWebサイトに掲載
  • データベースでパートナー候補を検索できる
  • 開催中のプログラムを検索できる(参加企業向けの機能)
  • サービス登録者間のメッセージ送受信が可能
  • コーディネーターによる共創パートナーの選定・推薦

共創プログラムの事業化をサポート

一部のオープンイノベーションプラットフォームでは、共創パートナー決定後の事業化フェーズのサポートを行っています。共創プログラムの事業化を判断する段階(実証実験の段階)までサポートしてくれます。

 

  • 事業仮説の検証をサポート
  • 決裁者へのプレゼン準備をサポート

オープンイノベーションプラットフォームを活用するメリット

オープンイノベーションプラットフォームを活用するメリット

共創パートナー探しを効率化できる

オープンイノベーションプラットフォームの利用により、新規事業の共創パートナー探しを効率化できます。サービス提供元のデータベースを活用して、短期間でパートナーを見つけ出すことが可能です。

 

インターネット検索や口コミの収集といった従来の探索方法では、共創パートナー探しに多大な時間がかかります。商談会もパートナー探索手段の1つですが、こちらは時間だけでなくコストもかかります。

 

オープンイノベーションプラットフォームのデータベースには、技術やアイデアを求める法人と、技術やアイデアを提供したい法人の双方が登録されています。これら登録者を指定条件で検索できるため、共創パートナー候補を効率的に見つけることが可能。候補者へのアプローチもシステム上で行えます。

非公開案件を発見できる

技術やアイデアを持つ企業にとって、オープンイノベーションプラットフォームは非公開案件を発見する場となります。受注者(参加企業)としてサービスに登録することにより、非公開の共創プログラムへ参加するチャンスが生まれます。

 

共創プログラムとしてメジャーな「アクセラレータープログラム」は、大企業により開催されることが一般的です。ただし、一般公開されるプログラムは限られており、それらが自社の目的にマッチするとは限りません。多くの中小企業にとって、大企業との共創・協業を実現するチャンスは少ないのが現状です。

 

オープンイノベーションプラットフォームでは、独自に企業のニーズを発掘し、外部に非公開の共創プログラムを開催しています。さらに、サービスによってはコーディネーターによるマッチング支援を受けることが可能。自社に適する共創プログラムを高確率で発見できます。

眠っていたリソースを再活用できる

自社に眠らせているリソースの再活用に、オープンイノベーションプラットフォームは役立ちます。社外にアイデアを求めることにより、使い切れていない技術や製品などから新規事業を生み出す機会が生まれます。

 

技術や製品のビジネス化に悩む企業は少なくありません。自社で開発したものだからこそ、固定概念から新規性のあるビジネスアイデアが思いつかない場合もあります。眠らせている技術や製品からビジネスを立ち上げたいなら、外部からのアイデア提供を受けたほうが賢明です。

 

オープンイノベーションプラットフォームを活用すれば、多種多様な法人からビジネスアイデアの提案を受けられます。優れた提案を行った企業と共創パートナーとなることも可能。眠らせているリソースを具体的なビジネスにつなげられます。

オープンイノベーションプラットフォームを利用する流れ

オープンイノベーションプラットフォームを利用する流れ

 

オープンイノベーションプラットフォームを利用する際の流れは、サービスにより大きく異なります。ここでは、代表的なサービスの流れを解説します。

開催準備/情報登録

オープンイノベーションプラットフォームの利用方法は、共創プログラムを開催する企業と、プログラムに参加する企業とで異なります。開催企業ではまずコンサルティングと開催準備を、参加企業では情報登録を行うことが一般的です。

 

  • コンサルティング〜共創プログラムの設計(開催企業)
  • プラットフォームに自社の情報を登録(参加企業)

共創プログラム開催/プログラムへのエントリー

開催準備もしくは情報登録が完了したら、パートナーを探すフェーズへ進みます。

 

  • 共創プログラムを公開(開催企業)
  • 共創パートナー候補を検索(開催企業)
  • 共創プログラムを検索してエントリー(参加企業)

選考〜採択

共創パートナー候補の選出もしくはプログラムへのエントリーが完了したら、開催企業が参加企業の選考を行います。参加企業の提案が採択されたら、開催企業でのプレゼンを行った上で事業化フェーズへ進みます。

実証実験〜事業化

事業化フェーズでは実証実験を行い、事業内容をブラッシュアップします。最終的に開催企業での発表会を行い、事業化の可否が決定されます。ここまでをサポートした時点でオープンイノベーションプラットフォームの役目は完了です。

共創パートナー探しへ踏み出そう

オープンイノベーションプラットフォームは他法人との共創・協業をサポートしてくれます。サービスの活用により、世界中の法人から共創パートナーを探し出すことが可能です。しかし、どのプラットフォームを選ぶべきか迷うこともあるでしょう。共創の目的をしっかり決めた上で、自社に適するサービスを選ぶことが肝要です。

 

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