様々なシステムやデータベースから必要なデータを抽出し、活用しやすい形式に変換・出力する「ETLツール」。社内に分散している多種多様なデータを有効活用するうえで、必要性が高まっているツールです。記事では、ETLツールで実現できることや機能一覧、導入するメリット・効果を紹介します。
ETLツールの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。
ETLツール 2選|比較・選定ポイントとおすすめ「ETLツール」の特徴
ETLツールとは

ETLは「Extract(抽出)」「Transform(変換)」「Load(書き出し)」の頭文字をとった略称です。ETAツールは、社内で利用している様々なシステムやデータベースからデータを抽出し、扱いやすい形式に変換して書き出すプロセスを自動化するツールです。
多くの企業では部署単位・業務単位でシステムを導入しており、それぞれに膨大なデータが蓄積されています。しかし、これらのデータはフォーマットが統一されていない場合が多く、データ分析に活用するには、いったんDWH(Data Warehouse※)などに書き出す必要があります。
※DWH(Data Warehouse):様々なデータベースから抽出されたデータを時系列・内容別に整理して格納するサーバー
ETLツールを活用すれば、データの抽出・変換・書き出しが自動化され、経営や業務に必要なデータ分析のためのデータ統合・集計、フォーマットの整形が簡便化されます。
ETLツールで実現できること

ETLツールの導入によって実現できることは以下の2つです。
様々なデータベースからデータを抽出(Extract)
様々なシステムのデータを集約して分析・活用するには、まず分析に必要なデータを各システムから抽出する必要があります。ETLツールを用いれば、データベース管理システムや基幹システムなど多種多様なデータベースにある様々な形式のデータを自動的に抽出できます。条件に一致したデータだけを抽出することも可能です。
- データ抽出機能(Excel、CSV、XML、テキストファイルなど)
 - アダプター機能(各システム間の調整)
 - スケジュール管理機能(抽出タイミングの管理)
 
抽出したデータを適切なフォーマットに変換・加工(Transform)
社内の様々なシステムに蓄積されているデータの形式が異なっている場合、そのままではDWHに取り込んで分析に活用することができません。
ETLツールでは、各システムから抽出したデータのフォーマットや文字コードを扱いやすい形式に変換してDWHに出力します。また、抽出したデータ同士を結合させるマッピングやグルーピング、不要なカラムを削除するといった加工も行えます。
- フォーマット変換機能
 - マッピング
 - グルーピング
 - 置換
 - データクレンジング
 
データの書き出し(Load)
抽出・変換・加工したデータをDWHやExcel、テキストファイルなどに出力できます。アップデートインサートなどの条件を指定することも可能です。複数のExcelを統合・集計して出力するなどの便利な機能も備わっています。
- 書き出し機能
 - Excel、テキストファイルなど様々な形式に対応
 
ETLツールの導入で得られる効果・メリット

ETLツールを導入することで、3つの効果・メリットが期待できます。
開発工数の削減
多様なシステムに散在するデータを抽出・変換・出力するには、そのためのシステムを構築する必要があり、膨大な工数を要していました。ETLツールを用いれば、一連のデータ統合処理をノンプログラミングで実行できるため、大幅な工数削減につながります。
ヒューマンエラーの防止/データの精度向上
ETLの各プロセスの構築を手組みで行う場合、人為的なミスによるデータの誤変換・損失のリスクがあります。ETLツールでは、データ抽出・変換・出力処理の大部分が自動化され、抽出したデータの重複や誤りも自動的に修正してくれます。データ品質が担保されているため、信頼性の高い分析が可能になります。
システム運用やメンテナンスの効率化・標準化
一からプログラミングして構築するデータ統合処理フローでは、運用条件が変更されるたびにプログラムを修正する必要があり、メンテナンスの難易度も高くなります。ETLのプロセスを自動処理するETLツールを活用すれば、業務フローを標準化しやすく、スムーズな運用・メンテナンスが可能です。
ETLツールの機能一覧

ETLツールの主な機能を以下にまとめました。
| 
 機能  | 
 内容  | 
|---|---|
| 
 データ抽出機能(Extract)  | 
 指定した条件に一致するデータを基幹システムやデータベースから抽出する ●アダプター機能:各システムとデータをやりとりする接続口を設置する ●スケジュール管理機能:データ抽出のタイミングを設定する  | 
| 
 フォーマット変換機能(Transform)  | 
 抽出したデータをDWHなどへの格納・出力に適した形式に加工する。その際、以下の処理が行われる ●マッピング:抽出したデータをマッピングして結合する ●グルーピング:抽出したデータのグループを指定して集約する ●置換:抽出したデータを条件に従って変換する ●データクレンジング:データの重複や誤りを自動修正する  | 
| 
 書き出し機能(Load)  | 
 抽出・変換が完了したデータファイルを、指定した方法・タイミングでDWHなどに出力する  | 
| 
 条件分岐の設定  | 
 データ変換・統合の処理の分岐条件を設定する  | 
| 
 エラーハンドリング  | 
 エラーが発生した場合の処理を自動的に実行する  | 
| 
 ログ管理  | 
 データ処理状況をログとして記録する  | 
| 
 メール配信  | 
 加工したデータをExcel形式に変換してメールで配信する  | 
| 
 セキュリティ機能  | 
 個人情報など機密性の高いデータのマスキングやランダム置換、暗号化処理などを行う  | 
どの機能が搭載されているかはツールによって異なります。選択の際は注意しましょう。
ETLツールを活用して信頼性の高い分析を
近年は経営活動におけるデータ活用の重要性が高まっており、社内に分散している各種データの効率的な処理が求められています。ETLツールを導入すれば、様々なシステムからデータを抽出し、活用しやすい形式に変換したうえでDWHに書き出す一連のフローを自動化できます。これにより、高精度のデータに基づいた信頼性の高い分析をスムーズに実行できるようになります。
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