効率的で精度の高い予算管理を可能とする「予算管理システム(管理会計システム)」。管理会計にも役立つシステムですが、多様な機能が提供されているため選定が難しいサービスでもあります。ここでは、企業が自社に適する予算管理システムを選ぶための比較方法と選定ポイント、導入時の注意点を解説します。

また、導入実績の多い代表的な予算管理システムをご紹介します。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。

予算管理システムの比較方法・選び方

予算管理システムを比較選定する際のポイント

予算管理システムを比較選定する際のポイント

 

予算管理システムを選ぶ際のチェックポイントは、次の4つです。

 

■Excelや既存システムからの移行のしやすさ

予算管理をExcelや既存システムで行ってきた場合、データの移行が簡便に行えるかという点はチェックしておきたいポイントです。また、これまでの運用フローや入力方法と類似した仕組みになっているほうが、スムーズに移行しやすいといえるでしょう。

 

■基本機能を比較する

予算管理システムの利便性は基本機能により決まります。次のポイントを参考にして、導入候補とするシステムの機能を比較してください。

 

  • Excelファイルのインポート・エクスポートは可能か
  • 入力ミスや異常値の検出は可能か
  • レポートを自在に作成できるか
  • 予算作成を効率的に行えるか
  • 予算編成のシミュレーションは可能か
  • 多言語・多通貨に対応しているか
  • 自社の基幹システムと連携できるか

 

基本機能を比較したら、システム独自の機能もチェックしておきましょう。Excelと連動する機能や、経営アドバイスを表示する機能など、一部の予算管理システムには独自の機能が備わっています。こうした付加的な機能も詳しくチェックして、自社に役立つ予算管理システムを選び出しましょう。

 

■外部システムとの連携

会計システムなどの既存システムと連携することで、予実管理や予算編成の業務を大幅に軽減することが可能です。必要に応じて、外部システムとの連携性もチェックしておきましょう。

 

■セキュリティ性を比較する

予算管理システムの多くは、インターネット上のツールを利用するクラウド型で提供されています。クラウド型サービスを利用する際は、セキュリティ性が高く安全に利用できるシステムを選定する必要があります。

 

堅牢なデータセンターを利用しているか、不正アクセス対策や障害対策は万全かといった点をチェックして、安全性を判断してください。

 

なお、一部の予算管理システムには、自社サーバーで運用できるオンプレミス型が用意されています。クラウド型の安全性に不安がある場合は、オンプレミス型システムの利用も視野に入れるとよいでしょう。

課題・ニーズ別に見た予算管理システムの向き・不向きの傾向

課題・ニーズ別に見た予算管理システムの向き・不向きの傾向

 

予算管理システムの選定は、自社の課題や要望を踏まえて進めることが肝要です。次の表を参考にして、自社に向くシステムのタイプを検討してください。

 

課題・要望

向き・不向きの傾向

作業者が多くスムーズにシステムを導入できるか不安

・Excelと類似した操作性のシステムであれば使い慣れているケースが多いため、作業者が多い企業でもスムーズに導入しやすい

実用性を確かめてから導入したい / システムの具体的な使い方を確認したい

・カスタムデモンストレーションに対応するシステムを検討するとよい

※カスタムデモンストレーション=実際の帳票データを使った製品デモ

自社のセキュリティ要件が厳しい / 情報を外部に預けられない

・オンプレミス型システムを検討する

特殊な業種なので自社にあった使い方ができるか不安

・部門や業務に合わせてカスタマイズできるオンプレミス型を検討するとよい

・業種別のテンプレートを用意しているサービスもある

予算管理システムの導入時に注意すべき点

予算管理システムの導入時に注意すべき点

 

予算管理システムを導入する際は、従来の予算管理方法から新システムに移行するためのデータ設定が必要となります。予算管理システムは操作が簡易化されているものがほとんどですが、それでも初期設定に苦労する企業は少なくありません。システム導入をスムーズに進めたいなら、ベンダーの導入サポートを検討したほうがよいでしょう(有料の場合もあり)。

予算管理システムの選定を始めよう

予算管理システムの選定をスムーズに進めるには、システム導入目的や、自社に必要な機能を明確化しておくことが肝要です。システム導入にかける予算についても、あらかじめ決めておくとよいでしょう。必要に応じて、導入サポートの費用も入れておくことをおすすめします。以上を踏まえて、具体的なサービス選定に進んでください。

予算管理システム 6選

1.Workday Adaptive Planning

(参照元:https://www.orangeone.jp/wap/)

サービス名

Workday Adaptive Planning

キャッチフレーズ

最短2週間で導入可能!予算管理・経営管理クラウド

サービス概要

予算管理をはじめ、営業や生産の効率・マーケティング効果など、経営状況を知る上で、必要となるあらゆる情報を可視化し分析できる経営管理クラウドサービスです。
Excelでは難しかった高度な経営分析を誰でも行うことが可能です。
3つの特徴
1. プログラムいらずの簡単導入、最短2週間で利用でき、設定変更もお客様自身で対応できます。
2. ドラッグ&ドロップのお手軽操作で、誰でも高度なレポートやダッシュボードを作成可能なので、経営状況を瞬時に把握できます。
3. 5,500社の導入実績と10年以上の国内取り扱い経験があるので、機能面でも、サポート面でも、安心してご導入頂けます。

向いてる形態

BtoB/BtoC

導入社数

約 5500 社

(2021年07月26日時点)

導入企業の傾向

中堅中小企業から大企業まで、あらゆる規模と様々な業種業界の企業に導入されています。

機能一覧

・タスク管理機能
・分析機能
・データ連携

価格

・価格はお問合せください

運営企業

OrangeOne株式会社

サービス詳細

Workday Adaptive Planningの詳細を見る

サービス資料

 

導入した企業の声

日本カルミック株式会社:

導入目的は、レポート作成をExcelで行っており、集計の関数のメンテナンスが属人化していたため。Workday Adaptive Planningを活用することで、属人化が解消され、300時間の工数削減を図ることができました。

 

2.Oracle PBCS

(参照元:https://go.oracle.com/LP=78209?elqCampaignId=193060)

サービス名

Oracle PBCS

キャッチフレーズ

管理会計・予算管理を クラウドで劇的に改善

サービス概要

世界で最も使われているOracle Hyperion Planning管理会計・予算管理システムが、クラウド版として登場!予算管理のデータ入力・連携から各種計算処理、レポート・分析をトータルに実現。

【特徴】
・信頼、高機能な管理会計・予算管理サービス
・月額制の低コスト、短期導入
・豊富な業界・業種別のテンプレートやサービスメニュー

【こんな課題を解決】
・会社の現状を正確な数字でリアルタイムで把握できない
・手作業が多く作業が属人化しており数字の精度が低い
・将来予測が出来ないから最適な経営判断が出来ない

{参照元:日本オラクル株式会社ホームページ}

向いてる形態

BtoB/BtoC

運営企業

日本オラクル株式会社

サービス詳細

Oracle PBCSの詳細を見る

 

3.CCH Tagetik

(参照元:https://www.wolterskluwer.com/ja-jp/solutions/cch-tagetik#.YDzel2gzbIV)

サービス名

CCH Tagetik

キャッチフレーズ

財務改革プラットフォーム

サービス概要

デジタル改革の実現を通して、財務部門が管理する統合プラットフォーム上の全財務プロセスとデータ管理をめぐる戦略を強化。

拡張可能なプラットフォームと強力なデータエンジンで、財務と業務各部門のデータを連動させます。ひとつのソリューションですべての財務プロセスが完結し、質の高いインサイトの発掘やスピーディな意思決定に必要な情報を活用して、最善の未来に向けてビジネスを加速できます。

【特徴】
•統合型プラットフォーム
•サイクルタイムの短縮
•財務と業務各部門の連動
•ガバナンスと管理の強化
•将来に向けた基盤の構築

{参照元:Tagetik Japan 株式会社HP}

向いてる形態

BtoB/BtoC

機能一覧

・予算編成、計画、フォーキャスト
・決算、連結会計
・財務報告
・開示管理
・コンプライアンス規制報告
・高度アナリティクスとダッシュボード

運営企業

Tagetik Japan 株式会社

サービス詳細

CCH Tagetikの詳細を見る

 

4.Manageboard

(参照元:https://service.manageboard.jp/)

サービス名

Manageboard

キャッチフレーズ

データ経営を簡単に実現するクラウド予算管理ソフト

サービス概要

クラウド予算管理によるチームマネジメントで経営目標を実現
Manageboardで予算管理の仕組みを簡単に。チーム全体での目標達成を実現するクラウドサービスです。

【特徴】
「予算をチームで管理してなりたい会社になる」経営目標を達成してなりたい会社になるためには、チーム全体で予算を作って追いかけていくことが欠かせません。
「Manageboardが予算達成をサポート」コンサルティング経験が豊富な公認会計士が開発し、現場に寄り添った機能は会社の経営判断をサポートします。
「4つのステップで簡単に経営を分析」

{参照元:株式会社マネーフォワードホームページ}

向いてる形態

BtoB/BtoC

機能一覧

・財務分析
・業績シミュレーション
・予算管理
・予算進捗管理
・AIチェック

価格

・一般企業向け 料金プラン  50,000円 / 月・利用できるユーザー数 3人

運営企業

株式会社マネーフォワード

サービス詳細

Manageboardの詳細を見る

 

5.A-SaaS

(参照元:https://a-saas.com/)

サービス名

A-SaaS

キャッチフレーズ

これからの税理士をはじめよう。

サービス概要

A-SaaSは税務・会計・給与のオールインワンシステムをクラウドで提供します。

【特長】
・ワンクリックで顧問先に付加価値を届ける
・会計データの入力から税務申告まで一気通貫で完結
・使いやすさにこだわったプロユースのシステム
・クラウドだからいつでもどこでも、アクセス可能

(参照元:Mikatus株式会社ホームページ)

向いてる形態

BtoB/BtoC

機能一覧

・税務システム
・会計システム
・給与システム
・経営指標システム
・中小企業の財務カルテ
・マイナンバーシステム

価格

・価格はお問合せください

運営企業

Mikatus株式会社

サービス詳細

A-SaaSの詳細を見る

 

6.SuperStream

(参照元:https://www.superstream.co.jp/product/account)

サービス名

SuperStream

キャッチフレーズ

日本の会計・人事を変える。

サービス概要

≪Webインターフェースによって提供される会計ソリューション≫
経理業務に求められる機能を包括する会計ソリューションです。
あらゆるデバイスからWebブラウザを経由してアクセスでき、グローバル共通のDBによってグループ全体の経営情報を可視化することが可能です。
オンプレミスからクラウドまで、柔軟な導入形態でお客さまの環境に適したサービスを提供します。
【特徴】
・多言語・多通貨対応
・国際財務報告基準(IFRS)にも標準対応
・グループ経営対応:グループ各社の会計情報をシームレスに集約・更新し、グループ全体の決算早期化を実現します。
(参照元:スーパーストリーム株式会社HP)

向いてる形態

BtoB/BtoC

機能一覧

・【財務会計・管理会計(GL)】仕訳入力機能
・【財務会計・管理会計(GL)】帳票出力・照会機能
・【財務会計・管理会計(GL)】決算機能
・【支払管理・経費精算管理(AP)】債務管理機能
・【支払管理・経費精算管理(AP)】締処理
・【支払管理・経費精算管理(AP)】仕入先管理機能
・【債権管理(AR)】入金管理機能
・【債権管理(AR)】消込処理機能
・【債権管理(AR)】相殺処理機能

価格

・価格はお問合せください

運営企業

スーパーストリーム株式会社

サービス詳細

SuperStreamの詳細を見る