紙の文書をテキストデータ化するOCRサービス。OCR自体は目新しい技術ではないものの、業務効率化やペーパーレス化が求められる現在、メリットの多いサービスとして注目されています。ここでは、OCRサービスの機能や導入メリットを解説します。

OCRサービスの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。

OCRサービス4選|比較・選定ポイントとおすすめ「OCRエンジン」の特徴や活用事例

OCRサービスとは

OCRサービスとは

 

OCRサービスとは、画像化した文書からテキストデータを生成するサービスです。OCRエンジン(光学文字認識エンジン)により、画像から文字を抽出してデータ化します。

 

文書を画像化するだけであれば、スキャナーとパソコンがあれば事足ります。しかし、画像化するだけでは、文字列の検索やコピーペーストはできないため、データとして活用したい場合には手入力しなければなりませんでした。

 

OCRサービスを活用すれば、労力をかけずに画像からテキストデータを生成できます。近年のOCRサービスではAI技術をくわえたものも提供されており、従来のOCRソフトでは実現できなかった高精度なテキストデータ生成が可能になりました。また、RPA(Robotic Process Automation)と連携させることで、文書のデジタル化からファイル管理まで一連の作業を自動化することもできます。

OCRサービスで実現できること

OCRサービスで実現できること

 

OCRサービスが活用されるのは、以下のような用途です。

 

  • 文書の認識
  • 手書き文字の認識
  • 名刺の認識
  • 免許証の認識
  • 領収書・レシートの認識

 

OCRサービスの導入により、以下の2つを実現できます。

紙の文書からテキストデータを生成

OCRサービスを利用すれば、紙の文書からテキストデータを生成できます。手書きの文書からテキストデータを生成することも可能です。

 

  • 紙の文書をスキャンしてアップロード
  • OCRエンジンによりテキストデータを生成
  • 手書きの帳票やアンケートなどの読み取りも可能
  • 多様なファイル形式(PDF・TIFF・JPEGなど)の読み取りに対応

ニーズに合わせたテキストデータ出力

OCRサービスは多様なデータ出力に対応しています。サービスで生成したテキストデータを、自社のニーズに合わせて活用できます。

 

  • テキストデータを自社システムへ投入(APIによる連携)
  • RPAとの連携
  • 各種形式(CSV、TExcel、Word、PDF、HTMLなど)での出力も可能

OCRサービスの導入で得られる効果

OCRサービスの導入で得られる効果

ペーパーレス化を推進

OCRサービスの導入により、ペーパーレス化を推進できます。紙の文書を管理する手間や保管場所を確保するコストを軽減できるようになります。

データ化されるため文字検索が可能

紙の文書では、必要な情報を探し出すのに手間がかかります。とくに、書類の量が膨大な場合やページ数が多いときに特定の文字やデータを見つけるのは容易ではありません。

 

OCRサービスを利用すれば、紙の書類をデータに変換できます。画像形式ではできなかった文字の検索ができるほか、書類の修正・編集も容易になります。

データ入力業務を効率化

OCRサービスの導入により、手作業によるデータ入力の手間を省くことができます。たとえば、請求書や申込書、領収書といった帳票を手入力する場合、相応の時間とパワーがかかります。OCRサービスを活用すれば、これらの入力作業を効率化できます。また、RPA(業務自動化ツール)と連携して、業務システムへの入力を自動化することも可能です。

データ入力ミスを軽減

帳票の手入力は集中を要する作業です。長時間の入力作業が続けば、入力ミスが生じる可能性は高くなります。OCRサービスの認識率は100%ではないものの、手入力と比べると安定的な精度を保ちます。

 

OCRサービスによりデータ入力を自動化すれば、社員は入力結果のチェックに集中できます。必要であれば、重要項目だけを手入力にすることも可能です。作業の大部分を自動化し、重要部分を人の手で行うことにより、ミスが生じる可能性を軽減できます。

OCRサービスの機能一覧

OCRサービスの機能一覧

 

OCRサービスの基本機能を表にまとめました。

 

機能

特徴

インポート機能

・PCから画像データをインポート

・モバイルアプリからデータをインポート

・多様なファイル形式(PDF・JPEG・TIFF・BMPなど)に対応

文字認識機能

・活字認識

・手書き文字認識

・帳票認識

・ルビ付き文字認識

・縦書き認識

・画像調整(文字認識しやすいように傾きやサイズを調整)

エクスポート機能

・業務システムへエクスポート

・RPA(業務自動化ツール)へ出力

・任意のファイル形式(CSV・Word・Excel・PDF・HTMLなど)でエクスポート

設定機能

・読み取り項目を設定

OCRサービスの比較選定を進めよう

OCRサービスの導入により、紙の文書をテキストデータ化できます。帳票データの入力を自動化し、業務効率を高めることも可能です。ただし、OCRサービスの比較選定は慎重に行ってください。文字認識精度や機能を比較して、自社に合うサービスを選ぶことが肝要です。

 

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